タブレットと学習ゲームを活用した学習意欲解放への取り組み(2)

取り組みレポート:啓発小学校(2)

株式会社まなゲーは、学校や先生と連携して、タブレットPCと学習ゲームを活用した児童の学習意欲解放の為の取り組みを行っています。今回は大阪市立啓発小学校との第2回目の様子をレポートします。

第1回目の模様はこちら

第2回レポート

今回は担任の山平先生に主導していただき、池田はサポート要員にまわりました。

第2回目の今日は、タブレットの出番はありません。 しかし、一連の授業にとってとても重要な回。ダン・ドリに登場させるモンスターたちのデザインを通じて、「自分と勉強」を見つめてもらいます。

まずは、グループに分かれて、勉強について「好き⇔嫌い」「大事⇔大事じゃない」を軸に、意見や理由について考えを出し合います。

グループで話し合い

全てのグループで「嫌いだけど、大事」という意見が多くなりました。理由は様々。それらをホワイトボードにまとめて、黒板に張り出し、グループの代表者が各班で話し合った内容について発表します。

発表

池田が注目したのはコレ。

IMGP1363

矢印は「テンションさがる」と読むらしいですが、 ある単語を聞いただけで気分が下向きになるというのも考えてみればすごい話です。

ここまでだけでもかなり面白いです。

次は、グループを解散、個人に戻ってワークシートを使って、これから描くモンスターの「設定」を考えます。勉強に対する自分の気持ち、そういう気持ちになっている自分自身について考えながら「大きい⇔小さい」「強い⇔弱い」「怖い⇔やさしい」などの、キャラクターのステータスを設定していきます。あわせて「どうしてそういう設定にしたの?」という問いに対する答えも考えてもらいました。

設定1

イラストを描く前に、テキスト化やグラフ作成を行ったのは、いきなり絵を描き始めてしまうと、「好きなキャラクター」や「描きたいイメージ」にひっぱられ過ぎてしまう可能性が高まると考えたからでもあります。

ここで池田からちょっと補足を加えました。

「モンスターたちを『敵』として描いても良いし、『味方』として描いても良いよ」

味方として描きたい子も中にはいるだろうぐらいの気持ちで呼びかけましたが、後で予想外の結果となります。

もちろんモンスター達の名前も考えてもらいました。

設定2
※待ちきれず、キャラクターデザインをこっそり「内職」してしまう子も(笑)

みんなすごく真剣に考えています。「勉強」のことを!!

設定をまとめたら、いよいよイラスト作成にうつります。

描き方等に関する質問が殺到して、てんてこまいになりました。みんな真剣そのもの!!

IMGP1381

一発で描きあげる子もいれば、何度も何度も描き直して、あたらしい用紙が必要になる子も・・・

IMGP1383

それにしても、みんなとても個性的!おもしろいモンスター達が続々と生み出されました。

そして、予想に反して「味方」を描いた子が多かった!

敵として描いた子も「勉強」を敵として描くというより、勉強に対する自分の気持ちや、頑張れない自分の心などを描いた子が多かったのが印象的でした。

実をいうと、この取り組みにあたって、勉強を「モンスター」として子供たちに描かせることには、当初、多少の懸念がありました。子ども達に、怪物(=悪属性)のものとして「勉強」を描かせ、それを叩きのめすゲームを作ることで、両者の関係をよりおかしなものにしてしまうのではないかという懸念です。

でも、それは杞憂でした。

ひとつには、ポケモンやカード対戦ゲームに慣れた彼らにとって、そもそも「モンスター」は、不慣れな大人が想像するような奇怪・醜悪・邪悪な存在とは、異なるイメージのものだった、ということもあるでしょう。

けれど、それ以上に、子ども達が「勉強」の問題を、「自分の問題」として捉えていることのあらわれだったのだと思います。

これを見て、僕には二つの反省がありました。

ひとつは、上記のごとき懸念を持つに至った、僕の発想の貧困さ。失礼しました。

それから、子供たちが「勉強が嫌いな自分」「勉強をがんばれない自分」という自己イメージから日常的にダメージを受けているという事態についての認識がまだまだ甘かったこと。

授業をしに学校を訪れて、自分自身が学ぶことのなんと多いことか。

描きあがったイラストを回収して、今回は終了です。 「いつ見られる?」「今度はいつ?」「家でも遊べるようになる?」矢継ぎ早に質問を浴びながらの撤収となりました。

<第3回レポートへ続く>

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