お勉強モンスターの紹介(10)- ふりかえる –

お勉強モンスター:ふりかえる

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:ふりかえる

お勉強モンスター:ふりかえる

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

・とんでさきにすすむのではなく
・(きそに)ふりかえる。
・みかた
・ドリルをもっている

【コメント】(池田)
勉強しているのに、もう一つ成績が伸びない。そういう時の原因が、語彙の不足や、基礎的な計算力の不足だったりすることはよくあることです。

「まなゲー授業」でも、小学校低学年の範囲から算数をやり直して、結果、数学の成績がいい調子で上がるようになった高校生”C先輩”のことを、毎度紹介しています。彼はこの「まなゲーらんど」の学習ゲームを利用して復習を行ってくれたのですが(そもそも彼のことを知ったのは、そのことを彼がメールで知らせてくれたため)、そんな彼もやはり、「高校生が小学校の内容からやり直すというのは少し恥ずかしかった」と教えてくれました。

重要かつ、結果的に効率的でもある場合が多い、基礎からの復習ですが、実際にはなかなか取り組めないことでもあります。そんな時に、「ちょっと戻って基礎からやってみようぜー」と声をかけてくれる存在がいたら良いですよね。

『どうも、うまくいかないなぁ』と思いながら、机に向かっていると、いつの間にか「ふりかえる」がやってきて、「ちょっとこれやってみない?」と声をかけてくれる。やってみると、復習なので結構スラスラ解けて気持ちもリラックス。基礎力アップで、細かなところで随所に余力ができて、直面していた問題が少し易しくなったように感じる・・・そんな好循環を生んでくれそうな勉強モンスターです。

お勉強モンスターの紹介(9)- きちきちさん –

お勉強モンスター:きちきちさん

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:きちきちさん

お勉強モンスター:きちきちさん

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

何でもきっちりしないと、気がすまないせいかく。まちがわないか目を光らせている。
めんどくさいやつ。

【コメント】(池田)
監視・強制されている感覚というのは、随分と人を損なうものであると思います。
一方で、見守ることの重要さは、教育・子育てでは常に言われることでもあります。
「監視」か「見守り」か、大人と子どもの主観がかみ合わないことは多々あるでしょう。

大人の側は「見守り」「導く」ために行動しているつもりでも、子どもにとっては「見張られ」「命令」されているという具合です。

そのズレを呼ぶ原因の一つが、「きちんと」「ちゃんと」「しっかり」などという曖昧すぎる否定的な指摘の言葉なのかもしれないと、きちきちさんを見ながら改めて思いました。

お勉強モンスターの紹介(8)- スターディースLOVE –

勉強モンスター:スタディースLOVE

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:スターディースLOVE

勉強モンスター:スタディースLOVE

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

ちょっとよわむしでビビリでおっちょこちょい
やさしく勉強をおしえてくれたり
やる気が出る道具や、その人の好きな食べ物、飲み物を出してくれる。
とってもやさしい子!!

【コメント】(池田)

「勉強しなきゃなー、やだなー、でもやんなきゃなー」的な気分で、とりあえず机に向かった時、こんなキャラクターが何処からか現れて、まめまめしく世話を焼いてくれたら良いなぁ、って思いますよね。

大きさについては情報がありませんが、僕のイメージでは机の上をちょこちょこ歩き回るぐらいのサイズかなと思いました。

ただ、「よわむしでビビリでおっちょこちょい」という設定があるので、道具を落としたり、食べ物飲み物をこぼしたりしそうで、こっちがハラハラしてしまったりして、集中して勉強できるのか?と心配にもなります。良い感じで勉強を始められたら、すーっといなくなって、またダレてきたら、いつの間にか出てきて飲み物を出してくれたり、そんな感じで動いてくれたらすごくありがたい存在になりそう。

お勉強モンスターの紹介(7)- シャーク野郎 –

お勉強モンスター:シャーク野郎

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:シャーク野郎

お勉強モンスター:シャーク野郎

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

提出物の期限や定期テストが近づくと、後ろからすごいいきおいでせまってくる。
いつも、子分の魚を引きつれている。
テストが近づくと、せまってくるが、それはみんなのことを思ってやっている
が、きらわれもの。

【コメント】(池田)

サメといえば、定番の敵キャラクターです。
何列にも並んだ鋭い牙、傷ついた獲物を見つける鋭い嗅覚、映画でおなじみの背後から迫るシーンが眼に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。そんなサメ型のモンスターに追われる恐怖や焦りを、迫り来る締め切りやテストになぞらえて・・・、面白いアイディアだなーと思いながら説明を読んでいくと、

「それはみんなのことを思ってやっている」のところで、なんと!となりますね。
「が、きらわれもの」・・・切ない。

先生や保護者など周りの大人が「自分のためを思って」言っていると、頭では理解できても反感をコントロールし難いのが、思春期ですが、そんな気持ちも合わさって生乱された勉強モンスターなのかもしれません。

「今思えば、シャーク野郎のおかげで、なんだかんだ頑張れたのかも・・・」なんて、成長した子どもたちに振り返ってもらえるような。そんなモンスターになれることを願ってやみません。

Scratchでゲーム制作入門 – 見下ろし型シューティングゲーム(5)

こんにちは、まなゲー池田です。 「見下ろし型シューティングゲーム」の5回目です。今回は「プレイヤー機がやられる」から「ゲームオーバー」への流れをつくていきますよ。

プレイヤー機が敵キャラに触れたら「やられた」メッセージを送る

今回は「メッセージ」を使ってみます。
メッセージは、あるスプライトやクローンで起こったイベントを他のスプライトやクローンに伝える時に便利です。ただ、「他のスプライトやクローンに伝える」のはもう少し先でやろうと思っていますので、今日のところはひとまず、「メッセージを使ってみる」ぐらいになります。

プレイヤー機スプライトの中のスクリプトにいくつかブロックを追加していきます。
赤枠で囲った部分が追加部分ですが、最初の「画像効果をなくす」は後で使います。
「もしBananasに触れたなら」「やられたを送る」が、衝突判定とメッセージ送信を行う部分です。


※ブロック上の文字が読みにくい場合は、画像をクリックすると大きな画像が表示されます。

メッセージを受け取った時の処理を書く

これまで、スクリプトの先頭にくるブロックは、「旗がクリックされたとき」か「クローンされたとき」でしたが、「メッセージを受け取ったとき」ブロックもそれら同様、スクリプトの先頭に置ける(先頭にしか置けない)ブロックの一つです。その後に、メッセージ受け取り後の処理を書いていきます。

大まかな流れはこうです。

  • 「やられた」メッセージを受け取ったら
  • プレイヤー機を操作できなくする
  • 画像効果を使って、やられた感じを演出する
  • 背景を「ゲームオーバー」用のものに切り替える

先ほど「画像効果をなくす」ブロックを初期化部分に追加したのは、ここで画像効果を使って変化させたものを、元に戻すためです。

「やられた」メッセージを受け取り「スプライトの他のスクリプトを止める」が実行されると、矢印キーやスペースキーが押されるのを監視して、移動やビームの発射を行なっていたスクリプトが停止するので、キー操作を受け付けなくなります。(これをしておかないと、やられたはずのプレイヤー機からビームが発射されて敵を倒せてしまったりと、おかしなことになります。)

やられた感じを演出、の部分だけをもう少し詳しく説明すると、

「ピクセル化」というスプライトがモザイクがかかったような感じになる効果を使って、壊れた様子を表現する
「幽霊」という、スプライトの「透明度」をコントロールする効果を使って、ちょっとずつ薄くなるのを20回繰り返して透明にし、見えなくする

という処理をすることにしました。
具体的には下の画像をみてください。

今回追加したものも加えた、プレイヤー機内のスクリプト全体を表示すると下のようになります。

これで、飛んでくるバナナにプレイヤー機がぶつかると、壊れて消滅、画面にゲームオーバーと表示されるようになったはずです。

次は、敵キャラが弾を発射して、プレイヤー機を攻撃してくるようにします。

Scratchでゲーム制作入門 – 見下ろし型シューティングゲーム(4)

こんにちは、まなゲー池田です。
「見下ろし型シューティングゲーム」の4回目です。そろそろ、敵キャラに出てきてもらいましょう。

敵キャラ用スプライトを選ぶ

「新しいスプライト」から、顔アイコンをクリックして新しいスプライトを選んでいきます。
今回は、バナナ(“Bananas”)を選択しました。

もちろん、自分で描いてもOKです。その時は「中心」をちゃんと決めてあげてください。

「自分自身のクローン」を作る

さて、敵キャラの中身を作っていきます。
敵キャラはいくつも出てきては消えていくものですから、前回の「ビーム」同様、「クローン」を使っていきます。ただ、ビームと違って何か別のものから「発射」されるのではありませんから、クローンを作るのは敵キャラ自身のスプライト内で行なっていきます。

まず、旗ボタンが押されたら型となるスプライトを隠しておきます。

そうしておいて、スペースキーでプレイが開始されたら、数秒おきに自分自身(“Bananas”)のクローンを作るのをずっと繰り返してもらいます。

クローンされた時どうするか

クローンされた敵キャラは、画面の上端から出てきて、下に向かって移動し、画面外へと消えていってもらいたいと思います。

画面上端付近のいろんな位置から出てきて欲しいので、X座標は「乱数」を使って毎回バラバラになるようにします。

「乱数」は、実行するたびに、違う結果が出るようにしたい場合に使うものですが、例えば今回だと、イメージとしては「-220から220までの整数が全部書いてある巨大なサイコロ」を作って転がす感じになります。様々なゲームを作る上で必要になってくる処理ですので、またこれからもちょいちょい使っていくことになると思います。

この処理も含めて、

  • 乱数を使って出現座標を決める
  • 表示する
  • 画面下端まで移動
  • 削除

という手順で処理していきます。プログラムとしてはこんな感じになります。

動かしてみると、画面上端のランダムな位置から出てきたバナナが、画面下端までいって消える、と狙い通りに動いてくれるはずです。

ここまで、敵キャラ内のスクリプトをまとめて表示してみるとこういう具合になります。

ビームに当たったらどうするか

ここまでで、とりあえず敵キャラが出てくるようになりましたが、ビームを当てて倒せるようにしなければシューティングゲームになりませんね。

敵キャラ内のプログラムに、以下の数ブロックを追加して、敵キャラがビームに触れたら、

  • 「とくてん」を1ずつ増やす
  • 敵キャラ(クローン)を削除する

という処理がされるようにします。

うまく動きましたでしょうか。今回はここまで。
次は、プレイヤーが敵キャラにぶつかるとやられてしまう処理を作っていきます。

Scratchでゲーム制作入門 – 見下ろし型シューティングゲーム(3)

こんにちは、まなゲー池田です。
見下ろし型シューティングゲーム」の3回目をやっていきます。
2回目はこちら)

今回は、「プレイヤー機からビームを発射」できるようにします。
やっと少しシューティングゲームっぽくなりますので、楽しんでくださいね。

「ビーム」スプライトを作る

「新しいスプライトを描く」を選択し、ベクターモードにします。

「直線」ツールを選択。太さや色も選びます。

ビームのような小さいものを描くときは、拡大して描くことをお勧めします。

拡大してみると、「中心」を表す+印があることがわかります。ぴったりその上を通るように縦に線を引いてやりましょう。ここを適当にやってしまうと、あとで思っているのと違う場所からビームが発射されてしまいます。気をつけてください。

プレイヤー機に対してこのくらいのサイズ感で良いかと思います。もちろんお好みで。

作ったスプライトに名前をつけます。「ビーム」っと。

ついでにプレイヤー機にも「プレイヤー」とつけておきましょう。

ひとつのスプライトをもとに、たくさんのものを作る「クローン」

準備ができたので、ここから中身を書いていきますが、これまで作ってきたものと違って、「ビーム」は、プレイヤー機から次々と発射されるオブジェクト(もの)です。

このように「ひとつの型からたくさんのものを作って使いたい」場面では「クローン」を使います。
「スプライト」から「クローン」を作ると、たこ焼き器で、たこ焼きをつくるように、「同じもの」だけど「それぞれ別々のモノ」を作って、それぞれに動かすことができるようになります。

言葉で説明すると、ちょっと難しいですね。やってみたほうが早いかな。やってみましょう。

「プレイヤー」スプライト側のスクリプトを書く

まず、プレイヤー機に「ビームを発射する」ためのプログラムを書いていきます。

新しく「旗がクリックされたとき」ブロックを出してきて、これまで書いてきたものとは別の新しいスクリプトを書きます。

下図のようにスクリプトを組んでみましょう。

これを実行すると。最初にスペースキーを押して、ゲームスタートした後、「スペースキーが押されたかどうか」を、コンピュータがずっと監視している状態になります。

そして、スペースキーが押されていたら、「ビーム」のクローンを1つ作って、1秒待ち、そしてまた「スペースキーが押されたかどうか」をずっと見ている状態に戻る、というのを繰り返してくれます。

なので、スペースキーを押しっぱなしにした場合、1秒おきに新しいビーム(クローン)を作り続けてくれることになります。

ただし、この状態でプログラムを動かし、スペースキーを押しっぱなしにしてみても、パッと見何の変化も起こりません。なぜなら、最初から表示されているビーム(型となるスプライト)と同じ場所に同じ大きさで、作られたクローンが重ねおきされていっているからです。

これを確認するには、プログラム起動後、しばらく(5秒ほど)スペースキーを押しっぱなしにしてから、マウスを使って、ビームをドラッグ&ドロップしてみると良いです。ひとずつ動かしてみると、その下に別のクローンがちゃんとあるのがわかります。

「ビーム」スプライトのスクリプトを書く

スペースキーで、ビームスプライトのクローンを作ることができるようになりましたが、これでは「発射」したとは言えません。

(1)プレイヤー機の場所にクローンが出現して
(2)その場所から、画面上に向かって飛んで行く

ように、「ビーム」側にも「クローンされた後どうするか」を書いてあげなければいけないのです。
あとで、もう少し書き加えますが、ひとまずこんな感じのプログラムで動きます。

「型になるスプライト」がずっと見えていては具合が悪いので、旗がクリックされたら隠すようにします。

そうしておいて、クローンされたら、

座標をプレイヤー機の座標と同じにする(この時点ではまだ隠れてるので見えません)
表示する(プレイヤー機の場所に「出現」したように見えます)
Y座標を10ずつ増やすのを繰り返します。(ステージ上に向かって移動していきます)

という命令が(クローンごとに、つまり一発一発のビームごとに)実行されるようにしてやります。

これで、「スペースキーでビーム発射」ができるようになりました!

ビームが画面端にたまってしまうのをなんとかする

さて、何発かビームを撃ってみると、困ったことが起こっていることに気がつくかと思います。
なんと、発射したビームが画面上端にどんどん溜まってしまっているじゃないですか。

ビームをかなり小さく描いた場合、もしかすると溜まっているのが見えないかもしれません。そうだったとしても、これは大問題です。

というのも、Scratchにはオブジェクトの同時配置数に制限があるので、このままでは一定数ビームを発射すると、それ以上ビームが撃てなくなるのはもちろん、ビーム以外の、例えば敵キャラなどのオブジェクトも、出てこなくなってしまうのです。

これをなんとかするために、クローンされたビームたちには、画面の端まで行ったら消えてもらわなければなりません。下図のようにプログラムを書き加えてやりましょう。

これで、ビーム周りは完成です。
あ、もしかすると、上のプログラム追加で「ビームが発射されなくなった!?」となった人があるかもしれません。その原因はおそらくこうです。

追加したプログラムは、「ビームが画面の「はしっこ」に触れたら削除する」というもので、ここでいう「はしっこ」は画面上だけではなく、下でも、左右でも同じです。

なので、例えばビームスプライトが大きすぎたり、出現場所がプレイヤー機から下や左右にずれていたりした場合、「発射直後に、どれかの「はしっこ」に触れているので、速攻で削除されてしまった」ということが起こる場合があります。

小さめのビームスプライトになるように書き直して、きちんと「中心」を決めてやれば解決するはずなので、色々試してみてください。

さて、今回はここまで!次はいよいよ敵キャラの出現です!

Scratchでゲーム制作入門 – 見下ろし型シューティングゲーム(2)

こんにちは、まなゲー池田です。
今日は「見下ろし型シューティングゲーム」の2回目です。今回は、タイトル画面を作って、(旗ボタンクリックでいきなりゲームスタートではなく)プレイヤーがゲーム開始をコントロールできるようにします。下のような手順で実装していきたいと思います。

  • 背景を設定
  • タイトル画面(これも背景の1つ)を作る
  • 旗ボタンでタイトル画面表示(まだ操作できない)
  • スペースキーでゲームスタート(背景が通常の背景に変わり、操作可能に)

背景を設定

背景エリアから「ライブラリーから背景を選択」ボタンをクリックします。

表示される候補からお好みの背景を選びましょう。
今回僕は”stars”を選択しました。

背景を選択して、「背景」タブを開きます。
ちなみに、背景にもスクリプトを書くことができます。ただし、スプライトとくらべると出来ることが制限されています

タイトル画面を作る(1)(タイトル画面用に背景を複製)

次に、タイトル画面を作っていきます。
今回はゲームプレイ時用の背景(先ほど作成したもの)を複製&加工して作ります。

先ほど作成した背景を右クリックして、「複製」を選択します。

ついでに、不要になった初期背景は「削除」してしまいましょう。

タイトル画面を作る(2)

複製した方の背景を加工して、タイトル画面を作っていきます。
「テキスト」ツールを選択してタイトルや説明を書き込みましょう。

フォントの種類や文字色を選ぶこともできます。

こんな感じで作ってみました。タイトルは”SPACE SHOOTING”、その下に英語で「スペースキーを押してゲーム開始」と書きました。なぜ、全部英語なのか・・・残念なことに「テキスト」ツールは半角英数文字のみの対応になっており、日本語を記述できないのです・・・。

まなゲーらぼでは、ちょっとずつ英単語を覚えてもらう良い機会と捉えていますが、やはり日本語で書きたいことも多いです。そういう時は「絵」としてペンツールなどで描いてもらっています。
(Scratch外のツールを使ってタイトル用の画像を作り、それを読み込むこともできます。)

使うのは先になりますが、ゲームオーバー画面もこの機に作ってしまいましょう。

背景の初期化&スペースキーでスタート

下準備ができましたので、ここからやっとプログラムを書いていきます。
前回作ったプレイヤー機のスクリプトを改造して、

  • 初期化部分に背景の初期化を追加(旗ボタンが押されたタイトル表示する)
  • スペースキーが押されるまでゲームが動き出さないようにする
  • スペースキーが押されてゲームがスタートしたら背景をプレイ用の背景に変える

というのを組み込んでいきます。下記のような具合ですね。追加するブロックは4つだけ。

ここまでできたら、旗ボタンでプログラムを走らせましょう。
タイトル画面が表示されて・・・。

スペースキーを押すと、タイトルは消えて、プレイヤー機を操作可能になりました。

今回はここまで。次はいよいよビームを発射できるようにしていきますよ。

これから「学歴」ってものはどう扱われるようになっていくのか

学校へ伺って、子ども達と勉強について話し合ったり、意見を聞いたりすると、親世代の影響というか「学歴社会」の影がまだまだ非常に色濃く見られるなぁと感じます。なんというか、そこだけやけに古臭いと言いますか・・・。

これからこの「学歴」ってやつは、どのように扱われるようになっていくのか、ちょっと考えを整理してみようと思います。

協働を可能にする記号としての学歴

人は「微笑む」生き物です。他の生物はそんなことはしません。
なぜ人は微笑むのか。それは「私は安全ですよ。あなたに危害を及ぼすものではありませんよ」と相手に伝えるためです。

人は「大きな白目」を持つ生き物です。白目を持つことは相手に目の動きを悟られ、心を読まれることに繋がります。心理状態を読まれることは生存上不利になるので、他の生物は白目をほとんど持ちません。我々は敢えて心を読ませることで、互いに「大丈夫ですよ」と伝えあっているわけです。

学歴の話のはずが、微笑みだの白目だの、関係のなさそうな事ばかり述べていますが、ここで確認したいのは、学歴というものは、これら同様、人類が赤の他人と付き合い協働していく上での一つのサインとして機能している(してきた)ものだということです。

「私は一定の理解能力と処理能力を備えた人間ですよ」
「退屈や理不尽に一定以上の耐性があって、我慢のきく人間ですよ」
「だから、この仕事に私を採用して大丈夫ですよ」

例えば、こんなことを伝える(受け手側に期待させる)記号です。
このサインを受け取った側が、それを「評価」して、採用だったり依頼だったりという「リスク」を取ることを受け入れてくれることを期待した記号です。

受け取る側としては、限られた時間の中で、相手を評価して決断しなければならない。その時に、「ある程度信頼できる記号」であってくれることを「学歴」に期待してきたわけです。

この記号の信頼性がかなり微妙なものであることは、ずっと以前から言われてきました。それでも学歴がここまで価値を(減らしつつも)保ってきたのは、代わりになるより良いものがなかったからに過ぎません。

評価経済へ向かう情報社会が学歴の存在意義を脅かす

昨今、いよいよ学力・知的能力・知識・技能に加えて、人格的特性や政治的信条、経済的状況にいたるまで、あらゆる個人の「能力・信頼・信用」情報が、ネットを通じてやり取りされるようになりました。これらの情報を数値化するサービスも次々と出現しており、一部ではそこでの評価がすでに通貨にも似た取引上・生活上の価値を持ち始めてさえいます。

誰もが極めて詳細かつ客観性と検索可能性の高い「私はこんな人間です」というデータを伴って世間を歩き回り。初めて出会う誰かとやりとりする時でも、必要に応じて互いその情報を引き出す(分析したり分かりやすくまとめたりはAIがやってくれます)ことができる世界が目前に迫っています。(ビジネス的需要もあってこの流れはいよいよ加速するでしょう)

これが普通になった時、誰が「学歴」を重視するでしょうか。かつて「学歴」という記号に期待されていたもの、その中身そのものの方を、具体的に分かりやすく容易に知ることができるというのに、敢えて信ぴょう性の低い「記号」に期待してリスクを負う人など、あっという間にいなくなってしまうでしょう。

大学入試改革の足元で急速に進む大変動

「学歴」が社会的価値を失っていくに伴い、教育機関は「学歴付与」という機能を失っていきます。そして、個々の学生を如何に育成したかを細かく問われるようになっていきます。「○○大出のAさん」から「Aさんの出た○○大」という評価の方向へと逆転していくということです。さらに、評価対象となる単位は「大学」ではなくなり「研究室」や「プロジェクト」へと変化していくでしょう。この流れの中で、個人の評価も「どのプロジェクトでどのような役割を果たしたか」をより細かく評価されるようになり、大学はそれらプロジェクトが立ち上がる「場」として評価されるようになります。そしていずれ、情報サービスのさらなる発展が「場」としての大学の存在意義も否応なく低下させていくことでしょう。

2020年、大学入試改革とか言っているその足元で、根底が覆らんとしていることも忘れてはいけません。

特定の試験の価値が暴落し、現時点での力が評価されるようになる

この変化は「学び続ける個人」にとって大きな恩恵をもたらします。

高校入試も大学入試も、全て「その時点での学力」を表す指標でしかなくなります。個人に関するあらゆる評価が刻々と更新され続ける世界にあっては、「〜時点での評価」を常に書き換えることが可能になります。入試の失敗は「とある試験」で成績が振るわなかったという評価に過ぎなくなっていきます。ソーシャルな失敗は尾を引くようになってしまうでしょうが、学力・知識・技能の不足は努力によっていつでも補うことが可能になります。

入試に失敗したら人生終わり、的な妄想から解放されるのは、子ども達にとっても保護者にとっても非常に良いことだと思います。

いつ何を学ぶかの自由を得て、あるべき状態へ

もちろん、学力・知力が今後ますます重要な能力となっていくことは変わりません。勉強は相変わらす極めて重要です。でも、「何歳の何月までにどの水準に達しているか」という意味のない縛りに追い立てられることは、なくなります。この縛りから真に解放された時、小中学校も家庭も本来の最重要課題である「意欲や興味関心を守り育てていく」というところにようやく立ち帰れるのではないかと期待しています。

勉強モンスターデザインと著作権など

まなゲー授業で子ども達にお勉強モンスターをデザインいてもらう時、毎回著作権の話を交えて、必ず自分のオリジナル作品を描くようにと伝えることにしています。

ゼロにはならないアウトな作品たち

が、やはりまれに、あきらかにアウトなヤツを描いてしまう子がでてしまいます。(僕が気がついた範囲での事になるので、実際はもっといるかもなんですが)

具体的には、某植物ぽい名前の女の子が主役の人気漫画にでてくるダンボール製のNHKでもやってたアレとか、超人気海賊マンガの誰でも知ってるシンボルマークとか、、、気づかないわけないだろー!っていうようなやつ。

考えられる対応案

こんな時、どうするか少し迷います。選択肢としては、

(1)著作権侵害になる作品があったとして、アプリごと公開を取りやめる
(2)問題のあるキャラクターのみをアプリから削除する(登場させない)
(3)先生とやりとりして、再提出をお願いする

があると思います。しかし、(1)をやってしまっては3コマ目に支障が出ますし、著作権について教えることが取り組みの主目的ではありませんので却下。

現実的なのは(2)か(3)なんですが、(3)はかなり手間がかかります。先生に説明して、先生からその子に話してもらい、時間を割いて描きなおしてもらって、それをまた僕の手元に送ってもらって、スキャンしてトリミングして・・・時間的なロスがすごいです。(2)でいいかなーと思う時もあります。

でも結局、今までのところ毎回(3)にしています。

毎回(3)を選ぶ理由

ひとつには、結局きちんと周知しきれなかった僕のせいであるということ。

そして何より、「自分と勉強を見つめ直しながら描く」ということに導けなかった(これもやはり僕の)せいだということに尽きます。それが出来ていれば必然的にオリジナルなキャラになるはずですからね。

そうして(先生方にもお手数をおかけして、申し訳なく思いつつ)、忸怩たる思いで作業に臨むことになります;;
この「まだまだ足りてないなー」という感じは、著作権侵害になるならないに関わらず、「あ、このキャラクターは完全に「描きたいキャラを描いた」になっちゃってるなぁ」と感じる時に、いつも思うことでもあります。

勉強モンスターたちに期待すること

それでも、「自分の描いたキャラクター」が「ゲーム」に登場することは、ゲーム好きの子、中でもとりわけ男の子には大きな興奮をもたらすようです。3コマ目の「まなゲー体験2」はいつも歓声飛び交う中、ドリル問題を「攻める」子ども達でいっぱいの空間となります。

この勉強と結びついた「強い快」経験が彼の心に一種のアンカーのように重みを留め、時折でも「退屈な勉強をゲームのように遊ぶ」という気分を、そういうことができる力を自分が持っているということを、思い出させてくれたら・・・。

目を輝かせて、まなゲーに取り組んでくれている子供達を見ながら、毎回そんな気持ちになるのでした。