大学入試共通テスト国語はすごく変わったとも言えるし、全然変わってないとも言える


こんにちは、まなゲー池田です。

先日、2020年から始まる大学入試共通テスト、のプレテストが実施されましたね。
問題と解答が公開されていたので、予備校国語講師歴約10年(過去)の僕がやってみて思ったところをできるだけ簡潔(×雑)に書いてみます。

変わったところ

  • ・記述問題(大問1つ分)が追加された。
  • ・制限時間的にキツくなった

変わらないところ

身もフタもない言い方になってしまいますが…。

基本的に昔ながらのやり方で、どの問題も解ける

以上!!

というのは、さすがにアレなので、もうちょっとだけ詳しく。
複数の資料をみくらべさせられたり、誰かの意見ぽく選択肢が書かれてあったり、というのはあるものの、いずれも表面的な変化でしかなく、
漢字や語彙、古典の文法系をのぞき、文章や資料、そして問題分野選択肢の内容の「整理整頓」ができれば解けます。

記述問題も(当然といえば当然ですが)、きちんと採点基準を作らねばならない以上、解釈の余地のある問題は出せません。
問いに対する必要十分な解答になるよう、文章・資料から一部を抜き出し、指定の文字数に収まるようにまとめる練習で対応できます。

僕が現役で教えていた頃のやり方、そのまんまで十分対応出来る出題・採点基準となっていました。
採点基準を明確にして点数をつけねばならない以上、変えようがないんですね。
(もし回答者の意見などを答えさせるとすれば、それは「書いてあるかどうか」しか評価することができません。)

ただし、制限時間がキツくなったのは、大きな変化です。
このまま導入されるなら、時間内に回答を終えられない生徒さんが続出すると思います。
ある程度の反復練習を行って、読み・解きのパターンを持たないと大変そう。
その意味では、入試改革の目指す方向とは逆に、パターン認知力を問う方へと行ってしまっている感があります。

家庭でできること

予備校講師時代、いつも言っていたことですが、文系理系問わず、国語で点を稼げるとすんごく有利です。
(レベルが上がるほど、他の科目では差がつかなくなるのでなおさら…)
一方で、読書は好きなのに国語の成績はイマイチというのもよく聞く話。これも理由があります。

面白い「お話」をどれだけ読んでも、語彙は増えるかもしれませんが、文章を「整理」する力はあんまり育ちそうにありません。
また、語彙についても、お話の語彙と、説明文や論説文の語彙とは範囲が随分異なります。

読書の中に、少しでいいので説明的・論理的な文章が混ざるように仕向けていく。
そのために、科学(社会科学を含む)や時事問題に関心を持つように仕向けていく。
(これは本を読むこの場合、読まない子はとりあえずなんでもいいから読ませるところからになります。)

そのためには、親がまずそれを実行することです。そして話題にそれらを混ぜていく。
まぁまぁ面倒ですが、例えば僕は、寝る前に「自分が今読んでる本の面白かったところ」を読み聞かせしたりしています。

学校でして欲しいこと

本当いうと、学校でもうちょっとそういう文章を取り上げてくれたらいいんですけどね。
文学作品を読んで、クラス全員の「私の感想・意見」とか、良いんですけど、受験的には何の意味もないですから。
(それはそれでやってくれたら良いんですよ。でも分けて欲しいし、偏りすぎだと思う。)
それだったら、解釈の余地の少ない文章を読んで、それでも解釈が分かれる。なぜ分かれる。客観的なのはどの見方。など考える授業もして欲しいなぁと、すごく思います。すんごく。

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