5分でよめる!AIにビビりすぎないために、先生・お母さん・お父さんが絶対知っておくべきこと

AI、AIと騒がしいこの頃ですが、先生、あるいは子育て中のお父さんお母さん的に、これだけは知っとこう、というのをまとめてみたいと思います。なるべく簡潔に短くまとめます。特にお急ぎの方は、見出しだけ読んどくのもありかと!(書いた後で朗読してみたら4分未満で読めました。)

今のAIは、統計と確率とビッグデータで動きます。

強大な計算力を武器に、与えられた膨大なデータに統計処理を施すことで、そこにデータの相関関係を見つけ出す。見つけた関係を用いて次の処理の精度を高める。これらの作業を無数に繰り返すことで特定の問題に対する正解予測能力を高める。というのが今のAIの学習方法です。この方法を採用することで、前世代のAIには対応出来なかった複雑な問題を処理することが可能になりました。

このことは、飛躍をもたらす一方で、およそコンピュータのイメージから遠い、新たな弱点を生み出しました。つまり、

今のAIは「必ずミスする」

ということです。複雑な問題を「確率で」処理しようとするのですから当然こうなります。例えば成功率が99.9%だったとして、それはつまり1,000回に一回ミスするということです。

このミスを、コストとして受け入れらる作業(仕事)であるか否かが、ある仕事をAIに任せられるか否かを問う重要な指標となります。

機械は責任を負うことができない

そして、このことは「AIのミスの責任を誰がとるのか」という新たな問題を生み出します。もちろんAI自身は責任を取ることができません。製造者責任ということになりそうですが、開発会社はこの大きすぎるリスクを決して負おうとはしないでしょう。重大な責任を負う仕事を、AIが単独で担うことは、その能力とは全く別のこの要因によって、少なくとも当面の間は出来ないでしょう。

AIを育てるのには莫大なコストがかかる

ごく卑近な例からいきましょう。フリーで使えるAIを、自宅に設置した個人で買えるレベルの良いパソコンにのっけて、多少混みいった学習をさせてみます。計算を始めたパソコンは数時間から数日、ぶっ通しで計算を行います。これを繰り返しながらAI育成を行うとどうなるか?・・・翌月、確実に家計が破綻する金額の請求書が電力会社から届きます(笑)

これをずっとずっと大規模におこないつつ、処理させる膨大なデータを用意するコスト、希少なAIエンジニアに支払う高給というコスト、もろもろでエライ事になるのが、現段階でのAI育成です。(ただし、一旦学習を済ませたAIを、複製しあちこちで同じ仕事をさせることには、それほどのコストを要さないだろうことも覚えておきましょう。)

今のAIもそれほど融通はきかない

高度な学習が可能となり、複雑な問題解決や状況判断を行えるようになったAIですが、学習済みでない新しい状況やデータにはまるで対応できません。この問題は、コンピュータの性能が上がっても解決せず、現状とは異なる新しいアプローチが必要になります。いわゆる「汎用AI」、人のように新しい状況に対応できるAIは、まだまだお話世界の存在です。

まとめると、今のAIは

高度に複雑な問題を処理できるようになった
でも、一定の確率で必ずミスを犯す
育成にすごくお金がかかる
出来上がるのは結局融通のきかない専門バカ

で、現場で働かせようとすると

機械なので責任を負うことはできない(人間の「上司」が必要になる)
運用コストは専門家を雇うより(うまくいけば)ずっと安い(ここで投資を回収)
研修が必要になるたびに、ビッグデータと専門家が必要になる(=高くつく)

結論、すごいんだけど微妙なところも多い

実際、今AIを導入してる企業・組織を見ても、話題作りとイメージアップと株価上昇が目的、という感じだし・・・。

もちろん、コンピュータとソフトウェアの進歩、IoTやロボティクスの組み合わせで、消えていく仕事はたくさんあるでしょう。でも、そんなの今に始まった事ではありません。そして、今回の話だけでも、どんな仕事から消えていきそうか、なんとなく見えてきますよね。労働者にとっての「おいしい仕事」は、投資家にとっての「無駄な出費」。忘れてはいけないのは、AI云々以上に、そんな昔からのコスト観のようです。

こんな感じかなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です