勉強モンスターデザインと著作権など

まなゲー授業で子ども達にお勉強モンスターをデザインいてもらう時、毎回著作権の話を交えて、必ず自分のオリジナル作品を描くようにと伝えることにしています。

ゼロにはならないアウトな作品たち

が、やはりまれに、あきらかにアウトなヤツを描いてしまう子がでてしまいます。(僕が気がついた範囲での事になるので、実際はもっといるかもなんですが)

具体的には、某植物ぽい名前の女の子が主役の人気漫画にでてくるダンボール製のNHKでもやってたアレとか、超人気海賊マンガの誰でも知ってるシンボルマークとか、、、気づかないわけないだろー!っていうようなやつ。

考えられる対応案

こんな時、どうするか少し迷います。選択肢としては、

(1)著作権侵害になる作品があったとして、アプリごと公開を取りやめる
(2)問題のあるキャラクターのみをアプリから削除する(登場させない)
(3)先生とやりとりして、再提出をお願いする

があると思います。しかし、(1)をやってしまっては3コマ目に支障が出ますし、著作権について教えることが取り組みの主目的ではありませんので却下。

現実的なのは(2)か(3)なんですが、(3)はかなり手間がかかります。先生に説明して、先生からその子に話してもらい、時間を割いて描きなおしてもらって、それをまた僕の手元に送ってもらって、スキャンしてトリミングして・・・時間的なロスがすごいです。(2)でいいかなーと思う時もあります。

でも結局、今までのところ毎回(3)にしています。

毎回(3)を選ぶ理由

ひとつには、結局きちんと周知しきれなかった僕のせいであるということ。

そして何より、「自分と勉強を見つめ直しながら描く」ということに導けなかった(これもやはり僕の)せいだということに尽きます。それが出来ていれば必然的にオリジナルなキャラになるはずですからね。

そうして(先生方にもお手数をおかけして、申し訳なく思いつつ)、忸怩たる思いで作業に臨むことになります;;
この「まだまだ足りてないなー」という感じは、著作権侵害になるならないに関わらず、「あ、このキャラクターは完全に「描きたいキャラを描いた」になっちゃってるなぁ」と感じる時に、いつも思うことでもあります。

勉強モンスターたちに期待すること

それでも、「自分の描いたキャラクター」が「ゲーム」に登場することは、ゲーム好きの子、中でもとりわけ男の子には大きな興奮をもたらすようです。3コマ目の「まなゲー体験2」はいつも歓声飛び交う中、ドリル問題を「攻める」子ども達でいっぱいの空間となります。

この勉強と結びついた「強い快」経験が彼の心に一種のアンカーのように重みを留め、時折でも「退屈な勉強をゲームのように遊ぶ」という気分を、そういうことができる力を自分が持っているということを、思い出させてくれたら・・・。

目を輝かせて、まなゲーに取り組んでくれている子供達を見ながら、毎回そんな気持ちになるのでした。

ダン&ドリ同音異義語編(β版)宝栄小2018ver.を公開

こんにちは、まなゲー池田です。
大阪市立宝栄小学校の6年生の皆さんがデザインしてくれた「勉強モンスター」達を取り込んだ、「ダンジョンズ&ドリルス同音異義語編(β版)宝栄小2018ver.」を公開しました。

封じ込められたキャラクター達を解放

ゲームをスタートすると、下のようにズラーっとロックされたアイコンが並びます。

初期状態で、鍵を一つだけ持っているので、どれか1体だけ選んで解放してあげることができます。

なぜか戦闘に突入・・・

せっかく解放してあげた「お勉強モンスター」ですが、閉じ込められていたことに腹を立てているのか、それとも何か「試練」的なものなのか、「同音異義語バトル」に突入してしまいます。

見事、一定数の正解を果たし、お勉強モンスターを鎮めることに成功すると、またひとつあらたな鍵が手に入りますので、それを使ってまた新しいモンスターを解放。というようにゲームを進めていきます。

ひとつ一つのキャラに振り分けられた問題はそう多くありませんが、キャラクター数が結構ありますので、順々に解放していくうちに、あれよあれよと数百問の「同音異義語問題」を解いていくことになります。

解放したキャラクターがプレイヤーを助けてくれる

最初は一人ぼっちでの戦いですが、何体か解放するうちに、戦闘中、画面下方に解放済みキャラクターが表示されていることに気がつきます。

ミスをしてダメージを受けた時に、彼らをタッチしてみてください。プレイヤーを回復して助けてくれますよ。

今は回復だけですが、いずれは「ヒントを出してくれる」などのサポートも実装したいと思います。

勉強モンスター72体が誕生

こんにちは、まなゲー池田です。
明日の大阪市立宝栄小学校での授業に向けて、準備を進めています。

72体の新「お勉強モンスター」たち

今回も、新たに72体の「お勉強モンスター」が誕生しました。


※まだ本人達にもちゃんと見せていませんので、小さい画像で・・・

毎回思うのですが、みんな絵が上手ですね。中には「本当に小学生がフリーハンドで描いた絵?」と思うようなのも複数あって、驚かされます。

ひとつひとつじっくり鑑賞しながら

2コマ目の授業で配布する用紙に、手書きでキャラクターを描いてもらうのですが、出来上がった資料を先生から受け取って、ひとつひとつ画像処理ソフトを使って、学習ゲーム内に登場できる状態にしていきます。

まぁまぁ手間のかかる作業で、結構疲れるのですが、ひとつずつじっくり鑑賞できるこの作業は、特典といっても良い楽しい作業でもあります。

「ゲームに登場するキャラクターを描く」という楽しい作業と、「勉強と向き合ってじっくり考えてみる」という大変な作業を、同時に求められた子ども達の心の中でどんなことが起こっていたのか、想像が膨らみます。

もちろん、途中から「キャラクターづくり」で頭がいっぱいになって、勉強のことなんか忘れてしまう子もいるでしょう。それでも、そうなるまでの間だけ、それがほんのすこしの間でも、創造的で楽しい気分の中で勉強のことを考えるという機会は、とても価値があると考えています。

また、「お勉強モンスター紹介」のコーナーでも紹介していきたいと思います。

まなゲー授業@大阪市立宝栄小学校(2)

こんにちは、まなゲー池田です。

まなゲー授業@大阪市立宝栄小学校。2日目は「お勉強モンスターをデザインしてみよう」ということで、キャラクターデザインをしながら「自分と勉強」について考えを深めていく取り組みに挑戦してもらいました。

勉強と私

下のような図が表示されたプリントを配って、勉強と自分の関係をまずは「好き・嫌い」「大事・大事でない」でセグメント分けしてもらいます。

自分にとっての勉強に当てはまる箇所に○をつけてもらいますが、こちらの学校でも大半の子が右下の「嫌い・大事」のゾーンにマークしていました。後は右上の「好き・大事」ゾーンに数人、「好きとも嫌いとも言えない・大事」ゾーンに数人、1〜2人が左下の「嫌い・大事でない」ゾーンという感じでした。

マーキングはパッと直観的にやってもらって良いのですが、その後で必ず「なぜそう思うのか」理由を書いてもらいます。理由はまずとにかく何か書く、書いたらそれをできるだけ詳しく具体的にしていくように求めていきます。

「嫌い」→どうして?→「おもしろくないから」→どうして?→「字を書くのが嫌だから」→じゃあもしノートを書かなくてもよかったら?→「嫌じゃないかもしれない・・・」→そしたら嫌いなのは勉強じゃなくてノートってことかな?→「うーん・・・」

そういう具合で、机間巡視しながら声をかけていったりもします。
書き終わったら、隣近所の人と意見交換もしてもらいます。他人の考えを否定するのは禁止、ひとまずそうかと聞く、という制限をかけました。

お勉強モンスター召喚の儀式

意見交換が済んだら、いよいよモンスター召喚の儀式です。
「召喚の儀式」なんて芝居掛かった名付けですが、大型モニターに「魔法陣」を映し出すのと合わせてやると、ぐっと盛り上がってきます。

が、まだすぐには描かず、まずは言葉で考えてもらいます。下図のような対義語が色々並んだプリントを配布して、「勉強と私」から出てくるモンスターがどんなやつか、イメージしてもらいます。

描いてみよう

著作権や描き方に関する注意を終えたら、ようやくお絵描きスタートです。
イラストと合わせて、キャラの名前や性格といった設定も記述してもらいます。
「勉強モンスター紹介」のコーナーでも紹介しているように、ここに子どもたちの気持ちや、キャラクターに託された思いが見えたりするので、毎回とても興味深いです。

今回も、72体の個性的な「お勉強モンスター」たちが誕生しました。
託された思いとともに、子どもたちが勉強と関わっていく上での一種の「偶像」というか、「お守り」のような存在になってくれたら良いなと思っています。

来週初めに、このモンスターたちを取り込んだ、彼ら彼女ら「専用」のまなゲーを持って、教室へ向かいます。みんなの反応を目の当たりにするのが、今からとても楽しみです。

まなゲー授業@大阪市立宝栄小学校

こんにちは、まなゲー池田です。
今週から、来週にかけて3回に渡って大阪市立宝栄小学校で授業をもたせてもらっています。

まなゲー授業について

学習ゲーム体験を軸に、色々お話ししたり、ワークショップ的なことをしながら、子どもたちと勉強の関係を良くしていくのを狙いとした取り組みです。

勉強とゲームは正反対?

ちょっとしたアイスブレイクを通して、みんなの中でゲームが人気で、勉強はかなり不人気である現状を確認したら、「じゃあゲームと勉強はどんな風に違う?同じところはない?」と意見を求めていきます。

「楽しい・つまらない」「おこられる・おこられない」「やりたい・やらされる」などの違いから始まって、「頭を使う」「考える」などの共通点が出てきます。人によって思うことが違ったりして、なかなか盛り上がってきます。「何回もくりかえす」「できたらうれしい」などが共通点として出てくれば狙い通りという感じでしょうか。

まなゲー体験から「勉強ぎらいってどういうこと?」へ

そうして意見を交わした後、パソコンやタブレット(今回はパソコンを使用)で「まなゲーらんど」の学習ゲームを体験してもらいます。(15分ほど)

その後、池田がこういうことに取り組もうと思ったきっかけなどもお話ししつつ、「そもそも勉強ってなに?」や「じゃあ勉強嫌いってどう言うこと?」へと考えを進めていきます。具体的な事例を挙げて「この子は自分で勉強嫌いと言っていたけど、本当にそうだったんかな?」なども考えてもらい。次回予告をして、1コマ目は終わりとなります。

勉強を楽しめる自分に気づく

この一連の取り組みのキモは、「勉強の大切さ」を説くのではなく、「勉強を楽しめる自分」を発見・体感してもらうことで、前向きな勉強観を持ってもらい、同時にできるだけ無意識に近いところで「勉強」と「快」を結び付けようとすることにあるんですが、初回の感想を見ても、ほとんどの子が「勉強がちょっと好きになった」「楽しく勉強できた」「勉強が好きになれるかも」という感じを持ってくれたようです。

「もっとやりたい」「ずっとできそう」などの感想を書いてくれる子も多く、やっているのは計算や漢字などの「ドリル」なのに、そういう前向きで自発的な気持ちで向かい合っている自分を発見してくれています。

画像の感想は特に面白くて、自ら進んで「やりたい」と思っている自分に気がついて「不思議」さを感じてくれていますね。

ここからさらに、自分と勉強の関係を見つめ直し、「やれる」につながる勉強観へとつなげていく試みが続きます。

お勉強モンスターの紹介(5) – 無 –

無

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:無

無

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

戦う気が「無」く、動こうとしない、でも足がある。
立体ですけている。色はうすく、個体によって違う。
防ぎょ力が高い = 逃げない
形は様々である。
何をするにもめんどくさがる。「無」気力。

※「」の部分は実際には「」ではなく、青色の色鉛筆で囲むように強調されていました。

【コメント】(池田)

これもなかなか見た目だけではわからないキャラです。
ちょこちょこ可愛い見た目に加えて、丁寧に描かれている感じが伝わる外見ですが、
その性質は「無」「無気力」なんですね。
逃げないし、きっと責めもしないんでしょうね。
逃げない理由も「耐えて」いると言うよりも、硬いから「別に・・・」って感じでしょうか。

「でも足がある」とか「形は様々である」とかの、つけたしっぽい表記も、いちいち興味をそそられてしまいます。

お勉強モンスターの紹介(3) – ○月△日までの提出物! –

勉強モンスター:○月△日までの提出物!

こんにちは、まなゲー池田です。
出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。

この取り組みの狙いや趣旨など
(初めてご覧になる方はあらかじめ第一回目をご覧ください)

今回紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:○月△日までの提出物!

勉強モンスター:○月△日までの提出物!

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

このキャラクターは逃げたくても、逃げられない、
やってもやってもまた現れる、提出物をイメージしたもの。

【コメント】(池田)

やってもやってもまた現れる(笑)非常に共感を覚えますね;;
逃げたくても逃げられない、というのは多分(キャラクター作成は学習ゲーム上で登場することを前提としているので)ゲーム上の設定のことだと思いますが、「逃げられない」という感覚にはリアルさを感じます。

同じ量のものをこなす場合、全体像が把握できているかどうかは、負担感に大きな違いをもたらします。どれだけ?いつまで?やってたらいいの?という果てしなさは、徒労感をもたらし、やがて忌避へと・・・。というのは勉強嫌いを生み出す一つの王道パターンなのではないでしょうか。

お勉強モンスターの紹介 1 – バツマール –

勉強モンスター:バツマール

出張授業をさせてもらう時、子ども達に学習ゲーム内に登場する「勉強モンスター」のデザインに挑戦してもらっています。「自分と勉強、勉強のことを考える気持ちからモンスターが生まれてきたらそれはどんなやつかな」という問いへの答えとして描いてもらうのですが、「モンスター」と言っても、必ずしも「怪物」ではありませんし、悪者とも限りません。

このコーナーでは、彼ら彼女たちが描く「勉強モンスター」を紹介しながら、それを描くとき、どんなことを考えたのかな、とか、普段勉強とどんな風に関わっているのかな、などということ、皆さんと一緒に想像してみたいと思います。

これらはあくまで、子どもたち自身に自分の中の勉強と向かい合ってもらうためのきっかけとして描いてもらっているもので、分析めいたことをしすぎないようにしたいと思いますが、そのキャラクターを見て池田が思ったことも、少しだけ描き加えさせてもらっていきます。

初回に紹介するのはこのキャラクター

勉強モンスター:バツマール

勉強モンスター:バツマール

以下に、このキャラクターの性格や行動の特徴を、デザインした児童生徒自身が書いてくれたものを記載しますが、そちらを見る前に、少しご自身で想像してみることをお勧めします。

【キャラクターの設定】
(デザインした児童生徒自身が記入したもの)

マルとバツをきにしてはつげんをしない。
すごくおとなしい。はなしをきくことしかできない。
まちがえるとなく。

【コメント】(池田)

マルやバツをモチーフに描く子は多いですが、このキャラクターの場合は、それら記号とそれが(おそらく作者自身に)もたらしたものを合わせて描いてくれているのかなと思います。

評価を受けるというのは、基本的に恐ろしい体験です。学校というのは、日々衆目の中で繰り返し評価にさらされる場所でもあります。スキル習得のための通過点として、「現在位置」を知るためのものにすぎないはずの「評価」が、その人の能力に貼り付けられたレッテルのようになってしまう。極端な話、たった一度の授業中の失言で、その後の人生が大きく左右されるようなダメージを被る可能性だって、少なからずあるわけです。

設定を読んでから改めて見直すと、細かいところがすごく気になってきて、イラストだけをパッと見たときとはまったく違う印象になる顕著な例だと思います。

敢えてテキストだけで作った教材用ゲームが楽しくなってきた

こんにちは、まなゲー池田です。
技術系の専門学校でプログラミングの授業をいくつかもたせてもらっているんですが、初学者向け学習用の教材があんまり堅いと、学生の目がどんどん死んでいくので、大事なことを盛り込みつつ、楽しめる教材を作ろうということで、テキストのみで構成されたRPGゲームを作ってみたんですが、作ってるうちにだんだん自分が楽しくなってきてしまい、必要以上に作りこんでしまいそうな気配。

画面はこんな感じで、すべて文字のみで構成されています。いわゆる「ローグライク」型のダンジョン探索RPGで、プレイするたびにランダムにマップが作成され、モンスターやアイテムが配置されます。プレイヤーが移動など何か行動を行うたびに、モンスターたちも行動します。戦闘してモンスターを倒すことも可能ですが、戦っても経験値によるレベルアップなどはないので、戦いは出来るだけさけつつ下階へと向かうのを基本方針としながら、どこまで潜れるかに挑戦するゲームになっています。

先へ進むほどに、フロアは広くなり、モンスターも強くなっていきます。アイテムにはプレイヤーを強化するものもあるので、出来るだけ多くの宝箱を覗きながら進みたいのですが、それだけ多くのモンスターと戦うことになってしまう上に、プレイヤーのステータスとして空腹度が設定されており、何かするたびに減少していき、ゼロになると毎ターンダメージを受けてしまうため、時にはアイテムを取りに行かない判断も必要となります。

プログラムはJavaScriptで書いているのですが、出力先もあえてHTML上ではなく、Chromeのデベロッパーツールのコンソール画面上に出しています。文字だけの極めて貧弱なビジュアルですが、これでも多少見やすいように変換されていて、実際のデータはこんな感じの2次元配列になっています。

エクセルのシートみたいなものをイメージしてもらい、セルごとに一つの数値が入っていると思ってもらうと分かりやすいでしょうか。1が壁、0が通路、6がモンスターで9がプレイヤー、という具合です。

せっかくなので、普通にゲームっぽい画面でも遊べるようにしてみようということで、enchant.jsを使ってマップをキャラクターを描写するようにしてみました。

ここまでくると、分かりやすくゲームっぽくなりますが、それはあくまで見栄えだけの変化であって、本質的には、先にお見せしたような2次元配列上をひとつの世界に見立て、その中を連続的に書き換えていくことによって、メモリ上にオブジェクトたちが相互に干渉し合う系を再現しているわけです。エクセルで家計簿をつけるのも、データベースで販売管理をするのも、ゲームを作るのも、そういう意味ではあまり変わらない行為なんだ、という感じも、伝えられたらいいなぁ、と思っています。

もうちょっと作りこんだら、せっかくなので公開して、遊んでもらえるようにするかも。
ではまた!

勉強、やる気、ゲームに関する論文

論文イメージ

池田が2015年度に大阪府松原市で行った実践に関する事柄を中心にまとめた、勉強、やる気、ゲームに関する論文が「奈良学園大学紀要第五集」に掲載されました。

学習意欲を「引き出す」のではなく、すでに子供たちが持っているはずのソレを「解放」すると言う視点に立った「解放指向アプローチ」に基づく一連の取り組み(実施後アンケートで参加児童の約83%で勉強との関係に前向きな変化が報告されました)と、その背景についてまとめたものです。

結構面白い内容になったと思いますので「やる気」に興味をお持ちの皆さんは是非ご一読ください。ご意見・ご感想などお聞かせ頂ければ幸いです。

論文:勉強とやる気、そしてゲーム

リンク先はPDFファイルです。本文は15000字ほどになりますので、とりあえず要約だけ見ていただいて興味がわいたら続きを読んでいただければと思います。

本文より「要約」のみ抽出

我が国においては、以前より、児童生徒の学習意欲および自己評価の低迷が指摘され、いわゆる「やる気のなさ」が問題視されている。しかし、筆者が複数の小学校で行った児童からの聞き取り結果を、古典的動機づけ理論および近年の無意識研究の成果に照らして鑑みると、彼らの状況は「やる気はある、しかし取り組めない」と評価する方が妥当であると考えられる。そこで、無意識主導の行動決定モデルのもと、意識、無意識両方に働きかけ、児童らが既に持っている学習意欲を抑え込まれた状態から解放し、行動へと繋がりやすくすることを目的に、学習ゲーム体験を軸とした一連のワークショップをデザインし、これを「やる気解放アプローチ」と名付けた。このアプローチを児童(小学4、5年生140人)に試みた結果、アンケートにおいて82.9%の児童に勉強観・自己評価の前向きな変化が見られ、48.6%の児童が、以前よりも勉強を頑張れるようになったと回答した。これらの結果は、やる気解放指向アプローチの有効性、およびその実施のためのツールとしての学習ゲームの有用性を示唆している。

今回は、論文として書いたので、全体に言葉も硬めです。また今後このブログ上などで、もっと平易な表現で分かりやすく書ければと思っています。